株式投資は禁止されてるの?銀行員とインサイダー取引

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銀行員とインサイダー取引
~銀行員の仕事~

株式投資すると問題あるの?

銀行員が株式投資すると必ず儲かる?

銀行員は日経新聞を読んだり、お客さんから様々な情報を得たり、金融知識を身に付けたりで・・・

もし、銀行員が株取引を行えば何となく儲かりそうな気がしますよね。

儲かるんだったらどんどん株式投資するべきだ!

どんどん投資しないでも、業務上知り得た情報の範囲で株式投資しちゃえば?

と思うところですが・・・

銀行員は業務上で知り得た情報をもとに株式投資をしてはいけません。

それどころか、株式投資が原因で刑事罰を受けた銀行員もいます。

どうしてだろう?

答えは簡単!

金融商品取引法でインサイダー取引を禁止しているからです。

就業規則で株式投資を制限する銀行

投資の種類は様々です。

債権、株式、FX、金、先物、投信、不動産・・・

実際、私が働いていた銀行はFXや株の信用取引を禁止、不動産投資や株の現物取引は告知を要していました。

私自身は、株の取引を控えていたので詳細は分かりませんが・・・

確か、株式投資について宣誓書的な書面を書かされた記憶があります。

多分、各銀行によって異なると思いますが、行員の株式投資を許可しても前向きに捉える銀行は少ないと思います。

また、株式投資を行っている行員は審査部、市場部等の配属から外されるかも・・・

自行の行員がインサイダー取引に抵触したら大事件!!

銀行員の不正事件は実に投資絡みの失敗が起因となるケースが多いし・・・。

自分が人事部なら極力、リスクを回避します。

まぁ、こっそり株式投資する同僚はチラホラいましたが・・・

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インサイダー取引とは

インサイダー取引って何?

ざっくり説明すると、会社の重要な情報を知り得る者が、情報を知り、情報が公表される前に、その会社の株式等の売買を行うことをいいます。

インサイダー取引が当たり前のように行われると金融商品市場の公正性や健全性が損われるので、結果的に金融商品市場に対する一般投資者の信頼がなくなります。

例えが荒っぽいですが、ドラえもんみたいに未来からやってきた者が競馬の馬券を買ったら必ず的中するので競馬は成り立たなくなりますよね?

同じように、株価に影響を与える情報を知り得ている者が株を購入すると金融市場が成り立たなくなりますのでインサイダー取引は規制されて当然なのです。

金融商品取引法で規制されている

金融商品取引法 では、「会社関係者」が、その会社の株価に重大な影響を与えるような「重要事実」を職務に関して知った場合、それが「公表」された後でなければ、その会社の「株式等の売買」を行ってはならないと定めています。

①「会社関係者」の範囲について

「会社関係者」とは単に会社の役員や従業員だけでなく、家族や取引先等も対象になります。

・上場会社等の役員、代理人、使用人、従業者
・上場会社等の帳簿閲覧権を有する株主
・上場会社等に対し法令に基づく権限を有する者
※(許認可権を有する官庁の公務員等)
・上場会社等の契約締結者または締結交渉中の者
※(顧問契約を締結している弁護士や会計士、融資契約を締結している取引銀行等)
・元会社関係者(関係者で無くなり1年以内の者)
②「重要事実」の範囲について

「重要事実」とは、公表されるとその会社の株価に影響を与える事実です。

・決定事実…新株発行、自社株買い、合併等の会社が意思決定した事実
・発生事実…株主異動、債務不履行、災害に起因する損害等の会社の意思と無関係に発生した事実
・決算情報…売上高、経常利益、純利益等の変動に係る情報
・その他の重要事実…上記以外の情報で投資判断に影響を与えるもの
③「公表」について

「公表」とは、次のいずれかが実施されることです。

・金融商品取引所に重要事実を通知し、当該取引所のホームページに掲載されること
・重要事実が2つ以上の報道機関に公開されて12時間が経過すること
・重要事実の記載された有価証券報告書等が公衆縦覧に供されること
④「株式の売買」について

「株式の売買」とは株を売買する行為であり、利得の有無は関係なく該当する取引を行った場合は該当します。

インサイダー取引違反への制裁

具体的な罰則について

金融商品取引法で違反者への罰則を以下のように定められています。

・5年以下の懲役
・500万円以下の罰金(法人両罰規定=5億円以下の罰金刑)
・没収(犯罪行為により得た財産)
・追徴

この様に、インサイダー取引には非常に重たい罰則が定められています。

また違反者が所属する企業はそのコーポレートガバナンスが疑われてしまいます。

銀行員がインサイダー取引で罰せられた事例

あおぞら銀行行員インサイダー取引事件(H22.5.11告発)

【告発の対象となった犯則事実】

①:GDHの株を買い付けた
犯則嫌疑者は、株式会社あおぞら銀行の審査第一部において融資案件の審査業務等に従事していたものであるが、平成18年12月6日ないし同月7日ころ、株式会社東京証券取引所が開設する有価証券市場に株券を上場していた株式会社GDHとあおぞら銀行との間で締結していた融資契約の履行に関し、GDHの業務執行を決定する機関が、同社が発行する株式を引き受ける者を募集することについての決定をした旨の同社の業務等に関する重要事実を知り、法定の除外事由がないのに、同事実の公表前である平成18年12月11日から平成19年1月19日までの間、証券会社を介し、東京証券取引所において、犯則嫌疑者名義で、GDHの株券合計135株を代金合計1160万5100円で買い付けた。
②:ディーアンドエムホールディングスの株を買い付けた
平成20年5月28日ないし同年6月2日ころ、株式会社BCJ-2と融資契約締結の交渉をしていたあおぞら銀行の審査第一部に所属する職員から、同人が同契約の締結交渉に関し知った、BCJ-2の業務執行を決定する機関が、東京証券取引所が開設する有価証券市場に株券を上場していた株式会社ディーアンドエムホールディングスの株券の公開買付けを行うことについての決定をした旨の、公開買付けの実施に関する事実の伝達を受け、法定の除外事由がないのに、同事実の公表前である同月3日から同月20日までの間、証券会社を介し、東京証券取引所において、知人名義で、ディーアンドエムホールディングスの株券合計3万8000株を代金合計1701万円で買い付けた。
③:あきんどスシローの株を買い付けた
平成20年8月11日ないし同月14日ころ、エーエスホールディングス株式会社と融資契約締結の交渉をしていたあおぞら銀行の審査第一部に所属する職員が同契約の締結交渉に関し知った、エーエスホールディングスの業務執行を決定する機関が、東京証券取引所が開設する有価証券市場に株券を上場していた株式会社あきんどスシローの株券の公開買付けを行うことについての決定をした旨の公開買付けの実施に関する事実を、自己の職務に関して知り、法定の除外事由がないのに、同事実の公表前である同月20日から同年9月18日までの間、複数の証券会社を介し、東京証券取引所において、知人名義で、あきんどスシローの株券合計5200株を代金合計1021万8900円で買い付けた。
④:ベスト電器の株を売り付けた。
平成21年3月26日ころ、東京証券取引開設する有価証券市場に株券を上場している株式会社ベスト電器とあおぞら銀行との間で締結していた融資契約の履行に関し、ベスト電器が新たに算出した平成20年3月1日から平成21年2月28日までの事業年度における同社及び同社が属する企業集団の当期純利益の各予想値について、同社が平成21年1月19日に公表していた各予想値と比較して、投資者の投資判断に及ぼす影響が重要なものとして内閣府令で定める基準に該当する差異が生じた旨の同社の業務等に関する重要事実を知り、法定の除外事由がないのに、その公表前である同年3月26日から同年4月10日までの間、証券会社を介し、東京証券取引所において、知人名義で、ベスト電器の株券合計1万2500株を代金合計350万5500円で売り付けた。
⑤:リサ・パートナーズの株を買い付けた
犯則嫌疑者は、あおぞら銀行審査第一部において融資案件の審査業務等に従事していたものであるが、不動産投資等を目的とするリサ・パートナーズ(東京証券取引所市場第1部上場)の役員が同役員の職務に関し知り、あおぞら銀行ウエルスマネージメント部において同役員に対する融資営業等の業務に従事していた職員が職務上同役員から伝達を受けた、リサ・パートナーズにおいて、景気の低迷等により不動産関連企業の新規資金調達が困難となっていた状況下で三井住友銀行ほか10 行から成る銀行団による協調融資により総額約100 億円の新規事業資金を調達できることが確実となった旨の、リサ・パートナーズの運営、業務又は財産に関する重要な事実であって投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす事実を、平成21 年3 月6 日ころ、犯則嫌疑者の職務に関し知り、法定の除外事由がないのに、同事実の公表前である同月18 日から同月26 日までの間、証券会社を介し、東京証券取引所において、知人名義で、リサ・パートナーズの株券合計82 株を代金合計222 万2740円で買い付けたものである。

【参考】インサイダー取引に対する当局の取り組み(金融庁)

顛末

【東京地裁判決】
・懲役2年6月(3年)
・執行猶予4年
・罰金200万円(200万円)
・追徴金5824万3900円(5824万3900円)
※(    )内は求刑
【判決理由】
融資審査部門の幹部だった被告が職務上の立場や専門的知識を悪用して継続的、常習的にインサイダー取引を行ったと指摘。「証券市場の公正性と健全性は損なわれ、あおぞら銀と証券市場に対する信頼を著しく傷つけた」と述べた。
 【参考】元あおぞら銀行員に有罪判決 インサイダー取引で(福井新聞)

本件の問題点について

・知人名義で取引していた
・業務上知り得た情報を悪用
・継続的、常住的に取引していた
・証券市場の公正性が損なわれた

実際、銀行で働くとインサイダー情報を知る機会はいくらでもあります。

特に本件のように本部の審査部門担当は、各支店からの顧客情報が集約される部署なので毎日インサイダー情報を得られる可能性があります。

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投資信託と仮想取引のすゝめ

では、銀行員は資産運用をどうすればいいの?

お客さんに販売する機会が多い投資信託で運用すればいいと思います。

アパレル店員が自社の服を買うのと同じ?

私自身、自行の投資信託で資産運用していました。

まぁ、全てインデックスファンドですが・・・

また、銀行員が株式取引を経験したいなら仮想取引で一度、遊ぶと良いかも・・・

ちなみに私は過去、トレダビというゲームで遊んだこともあります。

実際の取引に準ずるルールで株式投資を体験できるので勉強になります。

仮想取引は、軍資金が少ない学生さんの勉強にもオススメします。

まとめ

インサイダー取引の事実を知らないで株式投資してしまうケースもあるとのことで、銀行員は株式投資を避けたほうが良いでしょう。

それでも株式投資したいと思う方は・・・

現物で慎重な取引を!

そして全て自己責任で運用しましょう。

ブログを読んでいただきありがとうございました!

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