ブランチインブランチについて考える

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「統廃合」と「ブランチインブランチ」

ブランチインブランチとは?

今回のテーマは少しネガティブな話題ですが、金融機関の店舗撤退について考えます。

皆様は、利用する金融機関の店舗が撤退したなんて経験をお持ちでしょうか?

従来、金融機関が店舗を撤退・集約する場合、統廃合によるものが一般的でしたが最近、多くの金融機関でブランチインブランチが採用されています。

ブランチインブランチとは店舗内店舗とも呼ばれ、複数の店舗を1ヶ所に集約、複数店舗として営業を続ける手法です。

聞き慣れない言葉だと思いますが今後、地方銀行や信用金庫の統廃合で話題になるキーワードだと思いましたので、今回はブランチインブランチについて考えてみます。

先ずはブランチインブランチの実例をご紹介します。

例① 三井住友銀行の場合
五反野支店は、平成29年11月13日に千住支店内に移転オープンしました。
参照:三井住友銀行 五反野支店
例② 静岡銀行の場合
砂山支店は、平成27年7月13日に成子支店内に移転しました。
支店名称、支店番号、お客さまの口座番号の変更はなく、現在、ご利用いただいている通帳・証書・キャッシュカード等は従来どおりご利用いただけます。また、給料振込・年金のお受け取りや各種口座引き落とし等についても、従来どおりご利用いただけます。
参照:静岡銀行 「砂山支店」を成子支店内に移転
例③ 横浜銀行の場合
横浜銀行相武台北支店は、平成29年2月6日に座間支店内に移転しました。
今回の移転により、2つの店舗が同一の建物内で営業をおこなうこととなります。
参照:横浜銀行 相武台北支店の店舗移転のお知らせ
例④ 富山信用金庫の場合
富山信用金庫五福支店は平成29年9月4日に丸の内支店内に移転しました。
店舗内店舗方式で移転いたしました。移転に伴う支店名・支店番号・口座番号の変更はございませんので、お客様のお手続きの必要はなく、通帳・証書・カード等はそのまま継続してご利用いただけます。またATMにつきましても、引き続き五福支店跡地にて稼働いたします。今回の移転は経営効率化の一環として行うものでありますが、一つの店舗内に支店を集約することによって生み出される経営資源を、お客さまの利便性向上と地域社会の発展に活用していきたいと考えております。今後とも何卒変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。
参照:富山信用金庫 「五福支店」を「丸の内支店」内に移転しました

続いて、従来型の統廃合を実施した金融機関の実例を紹介します。

【店舗統廃合の例】山陰合同銀行の場合
山陰合同銀行は、平成29年7月18日に6店舗を統合しました。
「経営基盤の強化」の一環として、店舗ネットワークの見直しを実施しております。
つきましては、下記のとおり山陰地区の6カ店について、平成29年7月18日を統合日と
する店舗統廃合を実施することといたしましたのでお知らせします。
本件に伴い、取引店や口座番号の変更など、該当のお客様には大変ご迷惑をおかけい
たしますが、これまで以上に高度で質の高い金融サービスの提供に努めて参りますので、
何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。
本件にかかる対象店舗および詳細は下記のとおりです。
参照:山陰合同銀行 店舗ネットワークの見直しについて

共に金融機関の店舗を撤退させる手法でありますが、実例でブランチインブランチと統廃合の違いは何となく理解できたと思います。

キーポイントは「移転=口座が変わらない」or「廃止=口座が変わる」の違いです。

金融機関は公共性が高いので店舗を撤退するにしても、取引先に与える影響や負担が非常に大きくなります。

そこで、口座の店番や番号が変わらなければ、顧客の負担を少しでも減らすことができると考えられ、多くの金融機関が「ブランチインブランチ」という手法を採用している訳であります。

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ブランチインブランチの活用事例

そんな、ブランチインブランチのルーツを辿ると、統廃合が激しかった都市銀行で勘定系システムが統合されない状況下、早期に店舗を集約する手法として平成10年頃に導入されたとのことです。

現在、その活用方法は店舗の集約に限らない様で、ここで他の活用事例について考えます。

① 店舗建替に伴う仮店舗の設置
老朽化した店舗を建替する際、仮店舗を建築するケースが多く、仮店舗の建設、解体、用地の確保に多額の費用を要します。そこで建替期間中に僚店に移転出店を行い、立替費用を削減する手法。

② 新店舗開設前の拠点
新規出店に先立ち僚店内に新店舗を開設して営業活動を行う手法。この場合、新店舗の開設日に移転出店することになる。

③ 銀銀共同店舗の新規出店
銀行の経営統合に伴い、グループ内の既存インフラを利用して他の銀行が新規出店を行う手法。

事例: 横浜銀行立川支店の新規出店
参照:横浜銀行 地方銀行初の「銀銀共同店舗」横浜銀行立川支店のオープンについて

メリットとデメリットについて

では、最後にブランチインブランチのメリットとデメリットについて簡単に考えます。

メリット① 顧客利便性の低下を抑制する
従来の店舗統廃合では、廃止店舗の店名および店番の変更が生じる一方、ブランチインブランチは店舗の移転出店なので、店名・店番の変更が不要になる。

メリット② コストを削減する
撤退した店舗用地の処分が可能になり、コストの削減効果が期待できる。また、人員配置を見直し人件費削減に寄与する。

デメリット① 顧客が誤認する
顧客が店舗統廃合と誤認したり、旧店舗の場所に存続していると誤認するおそれがある。

デメリット② 管理が煩雑になる
システム管理、人事管理など通常の店舗と異なる煩雑な管理態勢が必用となる。

今後の活用に期待

今後、各地方金融機関で更に統廃合の動きが活発化すると思いますが、ブランチインブランチの手法を応用すれば、顧客の利便性低下は最低限のレベルまで引き下げることが出来るかもしれませんね。また、ブランチインブランチの新たな活用方法が見つかるかも?今後も各金融機関の動向に注目です。

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