どうする!?銀行員に身元保証人を頼まれた場合

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銀行員と身元保証人

銀行員は身元保証人が必用?

多額の金銭を取り扱う金融機関。

金融機関に就職する場合、内定が出た時点で会社側から身元保証人を求められる可能性が高いかと思います。

えっ、身元保証人って何?

ざっくり身元保証人とは、被用者が会社に損害を与えた場合、被用者の代わりに責任を負う者のこと。

つまり、保証した銀行員が現金を着服した場合、身元保証人にも責任が及ぶということ。

銀行員の着服事件を振り返ると、金額がケタ外れです。

中国銀行員が2億円着服=顧客の預金、運用と偽り-岡山
引用:時事ドットコムニュース

銀行員の身元保証人と聞くと、一歩、引いてしまうかもしれませんが実際のところどうなの?

今回は、身元保証人について考えます。

身元保証に関する法律

実は、身元保証に関する法律が制定されているのでご紹介します。

身元保証に関する法律(昭和8年4月1日 法律42号)

第1条
引受、保証其ノ他名称ノ如何ヲ問ハズ期間ヲ定メズシテ被用者ノ行為ニ因リ使用者ノ受ケタル損害ヲ賠償スルコトヲ約スル身元保証契約ハ其ノ成立ノ日ヨリ3年間其ノ効力ヲ有ス 但シ商工業見習者ノ身元保証契約ニ付テハ之ヲ5年トス
(引受、保証その他どのような名称であっても、期間を定めずに被用者の行為によって使用者の受ける損害を賠償することを約束する身元保証契約は、その成立の日より3年間その効力を有する。但し、商工業見習者の身元保証契約については、これを5年とする)
第2条
身元保証契約ノ期間ハ5年ヲ超ユルコトヲ得ズ 若シ之ヨリ長キ期間ヲ定メタルトキハ其ノ期間ハ之ヲ5年ニ短縮ス
(身元保証契約の期間は、5年を超えることはできない。もしこれより長い期間を定めたときは、これを5年に短縮する)
2号
身元保証契約ハ之ヲ更新スルコトヲ得 但シ其ノ期間ハ更新ノ時ヨリ5年ヲ超ユルコトヲ得ズ
(身元保証契約は、これを更新することができる。但し、その期間は、更新のときより5年を超えることはできない)
第3条
使用者ハ左ノ場合ニ於テハ遅滞ナク身元保証人ニ通知スベシ
(使用者は、左の場合においては、遅滞なく身元保証人に通知しなければならない)
1号
被用者ニ業務上不適任又ハ不誠実ナル事跡アリテ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ惹起スル虞アルコトヲ知リタルトキ
(被用者に業務上不適任または不誠実な事跡があって、このために身元保証人の責任の問題を引き起こすおそれがあることを知ったとき)
2号
被用者ノ任務又ハ任地ヲ変更シ之ガ為身元保証人ノ責任ヲ加重シ又ハ其ノ監督ヲ困難ナラシムルトキ
(被用者の任務または任地を変更し、このために身元保証人の責任を加えて重くし、またはその監督を困難にするとき)
第4条
身元保証人前条ノ通知ヲ受ケタルトキハ将来ニ向テ契約ノ解除ヲ為スコトヲ得 身元保証人自ラ前条第1号及第2号ノ事実アリタルコトヲ知リタルトキ亦同ジ
(身元保証人は、前条の通知を受けたときは、将来に向けて契約の解除をすることができる。身元保証人自らが、前条第1号及び第2条の事実があることを知ったときも同じである)
第5条
裁判所ハ身元保証人ノ損害賠償ノ責任及其ノ金額ヲ定ムルニ付被用者ノ監督ニ関スル使用者ノ過失ノ有無、身元保証人ガ身元保証ヲ為スニ至リタル事由及之ヲ為スニ当リ用ヰタル注意ノ程度、被用者ノ任務又ハ身上ノ変化其ノ他一切ノ事情ヲ斟酌ス
(裁判所は、身元保証人の損害賠償の責任及びその金額を定めるとき、被用者の監督に関する使用者の過失の有無、身元保証人が身元保証をするに至った事由及びそれをするときにした注意の程度、被用者の任務または身上の変化その他一切の事情をあれこれ照らし合わせて取捨する)
第6条
本法ノ規定ニ反スル特約ニシテ身元保証人ニ不利益ナルモノハ総テ之ヲ無効トス
(本法の規定に反する特約で身元保証人に不利益なものは、すべてこれを無効とする)

 身元保証人が必用な理由とは?

身元保証契約は、被保証人が会社に損害を与えた場合、責任を取らされる契約でありますが、条文を整理すると借金の連帯保証人などと比較すればそこそこ守られた契約であることが分かります。

先ず、身元保証契約の有効期間は、期間を定めない場合3年間、期間を定める場合は5年間とされ、自動更新されないので被用者が会社を辞めるまで保証人になり続ける訳ではありません。

また、被用者の業務上不適任または不誠実な事跡などから、賠償責任が発生しそうな場合や、被用者の任務や任地が変わり、身元保証人の責任が重くなったり、監督困難になった場合は、遅延なく身元保証人に通知する義務があり、怠った場合、保証人は将来に向けて保証契約の解除を申し出ることも可能とされています。

つまり、保証人にとって不利益な事象が起きそうだと知り、通知しない場合は保証を断ることができるとされています。

では何故、わざわざ身元保証契約が必用なのか?

について考えると、不利益が生じた場合の救済措置的な性質より、保証人が忠実に勤務することを求める意味合いが強いような気がします。

身元保証人を頼む・頼まれた場合の対応

被保証人が会社に損害を与えた場合、責任を追求される身元保証人。

法律で守られているとは言え、リスクがあります。

また、実務では独立の生計を営む人を保証人に立てる様、求められると思いますが、だれに保証人を頼めばいいの?

一般的には、家族親族に身元保証人を依頼するケースが多いと思います。

でも、両親を亡くしていたり、特別な事情で頼む宛のない学生さんもいるかと思います。

悩み所でありますが、金融機関はお堅い会社です。

身元保証人を立てることができない場合、採用を断られる可能性があるかもしれません。

なんせ、私が働いていた銀行の場合、保証人のサインと印鑑証明書の提出を求めてきましたからね。

従って、金融機関への就職を目指す学生さんは、身元保証人の必要性について留意した上で就職活動に挑んだ方が良いかと思います。

また、もし身元保証人を頼まれた場合はどうする?

その人物を見定めることが重要ですが、親族から頼まれた場合はなかなか断れないと思うので、身元保証人に関する法律についての要点を押さえ、契約内容を熟読した上でサインしたほうが良いと思います。

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